サンタクルスよりおはようございます。
2月8日、9日にわたるワークショップが無事に終わりました。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
2月8日は約100名、2月9日は約70名(うち20名オンライン)の方にご参加いただきました。オンラインの参加者も含めると約20か国からのご参加をいただきました。ありがとうございます。
2月8日も9日もオキナワの地域の方が子どもからご高齢の方までたくさん来てくださいました。そしてボリビア日本語教育研究委員会の先生がたの情熱、パワー、明るさに私も元気をいただきました。

2月8日のワークショップ「集めてみよう!コロニアオキナワのことば」で、日ボ協会の比嘉智事務局長がコロニアのことばに「遊ぶ」をあげられました。英語で"Play gateball"は「ゲートボールをする」と訳しますがオキナワでは「ゲートボールを遊ぶ」というそうです。
夜の交流会ではゲートボールチームの60代の方々とお話する機会がありました。仕事がおわって、夜になると、上手な人も下手な人もグループになり、お酒を飲みながら「遊ぶ」のだそうです。私が弱い人が入ると勝ち負けに不利ではないか、というような質問をすると、「ゲートボールにおいて大事なのは勝ち負けではない、一緒に楽しむことだ。」と嬉しそうにおっしゃっていました。
「〇〇を遊ぶ」というのは、なにげない一言のようでいて、とても深いなあと思います。スペイン語での "jugar" は"play" とほぼ意味範囲が同じなので、単純にスペイン語の干渉かもしれませんが、あえて「遊ぶ」を使っているのは、「勝負」ではなく、ゲートボールに「共に興ずる」ことを大切にしているからではないかと思いました。これは、「勝つか負けるか」というある種の競争や生産性の価値観ではなく、「共に興ずる」というコンヴィヴィアルな生態を重視するコロニアの精神性そのものではないかと思いました。そのことは、老若男女(時々犬も)参加した2月8日のワークショップ、そしてその後の交流会で強く感じました。
教育の場においても、三線やエイサーといった琉球文化の継承学習、お話大会や豊年祭といった行事と結びついた学習が印象的でした。高校では農業体験学習や沖縄県への修学旅行などオキナワ移住地らしい学習もあります。そして学習活動には日ボ校の卒業生の青年部の若者や地域の人がたくさん参画します。こうした地域全体で楽しく子どもの学びに関与するあり方もコンヴィヴィアルだと感じました。
こんな風に、ある場所で、みんなが安心して、子どもから大人まで、知っている人も知らないひとも、一緒になってよくしらないテーマについて学ぼうと参加する、そんな活動がもっと世界中に広がるといいなあと思いました。
改めて、コロニアオキナワでのセミナー開催ができたことを心より感謝し、すべての関係者のみなさまに御礼を申し上げます。

開会式スライドも添付します。
参加者の皆様はいかがだったでしょうか。よかったら今回の参加の感想を下記にお寄せください。
これからのこと
(1)ICNTJ2027
2027年5月8日、9日、ICNJT2027をアメリカプリンストン大学で開催します。こちらは国際会議で研究発表が主となりますが、スタディツアーも開催予定です。よかったらまたご参加ください。
(2)INTJオンラインセミナー
INTJネットワークならびにINTJ科研では月に一度オンラインセミナーを開催しています。
2月26日8:00-9:00は近藤ブラウン妃美先生をお招きして下記のお話をしていただきます。
タイトル
米国・ハワイ州の高等教育機関における海外日系人大学生の日本語教育:その背景と課題
本講演でいう「海外日系人」とは、永住目的で渡米した日本人移住者とその子孫のことであり、日本国籍の有無や民族的背景の多様性は問わない。本講演では、主にハワイ州の高等教育機関に焦点を当て、海外日系人大学生の日本語教育の背景と課題について述べる。
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よかったらご参加ください。
松田さん、そして牧野さんをはじめとして今回いろいろ動いていただいた方がた。そして参加サれた方々
本当に素晴らしいワークショップでした。こんなに貴重な体験はなかなかできないと思います。現地の方との交流を含め、世界から集まったかたと寝泊まりをして合宿のように生活した3日間は、学問的にもとても有意義でしたが、もっとマクロの意味で様々な視点を与えてくれました。いかに、今の日常のささいなことや、人間ではなく植物や食べ物にも、そこには、歴史、政治、移動、街、人、モノの軌跡がうめこまれているか。そして、オキナワの舗装されていない道の脇のような、ゆるいトランスなスペースが彼らの生活の中にたくさんあって、このような土ぼこりが出るスペースからいろいろなことが生まれるのかななど、歩きながら、考えていました。わたしの人生と思考と研究の転換に少なからず影響を与えてくれた経験となりました。この経験を成果物にも還元していけたらと思います。とりあえず、本当にありがとうございました。尾辻